コンタクトレンズを使っていて「なんだかレンズがズレる……」という違和感を覚えたことはありませんか。
レンズがズレる感覚があると、視界がぼやけたり目がゴロゴロして不快だったりと、日常生活に支障をきたします。特にコンタクトレンズ初心者の方は、原因が分からず不安になってしまいますよね。
この記事では、コンタクトレンズがズレる主な原因から、ズレた時の正しい対処法、そして気をつけたいポイントについて、分かりやすく解説します。
1.コンタクトレンズがズレる原因は?
コンタクトレンズがズレるのには、さまざまな理由があります。正しい対処をするためにも、まずは原因を探っていきましょう。
レンズが汚れている
レンズにホコリやメイク汚れが付着すると、目の表面との密着が不安定になります。これによって、まばたきの度にズレやすくなったり、目の中でレンズが動いて視界がぼやけたりすることがあります。
特に化粧品の成分は油分を含んでいるため、レンズ表面を滑らせてズレの原因にも。先にカラコンをつけてからメイクに取りかかると、汚れが指からレンズに移らず安心です。
目が乾燥している
乾燥によって涙の量が減ると、レンズがしっかりと目にフィットしなくなり、ズレやすくなります。レンズを目に密着させるには涙が必要なため、乾燥するとレンズの位置が不安定になってしまうのです。
特に、エアコンの効いた部屋で長時間過ごすことやスマホの長時間使用などは、涙の蒸発を早めてフィット感の低下につながります。目の乾燥が進むとレンズがズレて、視力が正しく矯正されない場合もあり危険です。
レンズが裏返しになっている
コンタクトレンズには表裏があり、裏返しのまま装着すると目とのフィット感が悪くなってしまいます。
レンズが正しく目に密着していないため、まばたきや眼球の動きによって簡単にズレてしまいます。レンズの向きは見た目では判断しづらいため、装着前に確認する必要があります。
レンズのBCが合っていない
自分の目に合っていないBC(ベースカーブ)のレンズを使うと、フィット感が悪くなります。
BCはレンズの内側のカーブの大きさを示す数値で、自分の目より数値が大きすぎるとレンズがゆるくなり、ズレやすくなるのが特徴です。
逆に数値が小さすぎても、違和感や痛みの原因になることがあるため、注意が必要です。
目にトラブルが生じている
目に炎症や傷がある状態でレンズを装着すると、痛みや異物感からレンズが不安定になりズレやすくなります。
例えば、アレルギー性の眼病の1つである「巨大乳頭結膜炎」に罹ると、まぶたの裏側にできる乳頭状のブツブツがレンズにひっかかり、まばたきの度にズレてしまいます。
特に、片目だけレンズがズレる場合は、巨大乳頭結膜炎の可能性が疑われます。この場合はすぐにコンタクトレンズの使用を中止した上で、眼科の受診が必要です。
2.コンタクトレンズがズレた際の対処法
レンズがズレた時は、原因に応じて正しく対処することが大切です。以下の方法を試して、快適な装着感を取り戻しましょう。
レンズをお手入れする・交換する
2Week、1Monthタイプのレンズの場合、ズレていると感じたら、まずは清潔な手でレンズを取り外し、洗浄液でこすり洗いしてみましょう。
汚れがひどい場合や1Dayタイプのレンズの場合は、廃棄して新しいレンズに交換するのがおすすめです。
目に異物感があるまま使い続けると、角膜にキズがつく恐れも。コンタクトレンズは毎日欠かさずお手入れして、常に清潔な状態を保ちましょう。
目薬をさす・加湿器を使う
乾燥が原因でレンズがズレている場合は、目薬で目を潤すと改善される可能性が高まります。普通の目薬は防腐剤が配合されており、レンズに悪影響を与えてしまうため、コンタクトレンズ専用のものを使ってください。
また、室内の乾燥対策として加湿器の使用や、意識してまばたきを増やすのも効果的です。目の潤いを保つことで、レンズがしっかりとフィットするようになります。
レンズを正しい向きで装着する
レンズを装着する際、レンズを指に乗せ、横から見てお椀型になっているか確認してみましょう。
レンズのフチが反っていたら、裏返しのサインです。正しい向きで装着すれば、ズレが解消するだけでなく、目の違和感も解消できるでしょう。
眼科で目のサイズを測定してもらう
自分の目に合っていないレンズを使っていると、どうしてもズレが起こりやすくなります。
特に、目のカーブとレンズのBCが合っていないと、ズレや不快感につながるので、眼科でしっかりと検査してもらい、自分に合ったレンズを処方してもらいましょう。
使用を中止して眼科医に相談する
何をしてもズレが改善されない、または痛みや充血などの症状がある場合は、コンタクトレンズの使用をすぐに中止して、眼科医に相談してください。
放置すると角膜トラブルや眼病のリスクが高まるため、できるだけ早めに受診しましょう。自己判断での使用は、症状を悪化させる可能性もあるため厳禁です。
安全にコンタクトレンズを楽しむためにも、目の健康は最優先に考えましょう。
3.レンズが外れない時の注意事項
コンタクトレンズがズレた結果、まぶたの奥に入り込んでしまうことも。無理に取ろうとせず、落ち着いて対処しましょう。
レンズは清潔な手で外す
レンズのズレに対処する際は、手をしっかり石けんで洗い、清潔にしてから取り外すのが基本です。
レンズが見えている場合は、鏡を見ながら黒目の端にずらし、指先で優しくつまんで外しましょう。強くこすったりすると角膜を傷つけてしまいますので、レンズは丁寧に扱ってください。
どうしても外れない時は無理しない
レンズが乾いて目に張り付いている場合、無理に取ろうとすると角膜がキズつく恐れがあります。
まずはコンタクトレンズ専用の目薬で潤いを与え、改めて取れるかどうかを確認してください。それでも取れない場合は、速やかに眼科を受診しましょう。
無理に引っ張ったり、こすったりするのは絶対にNG。目の安全を守るためにも、落ち着いて正しい手順で対処しましょう。
4.まとめ
今回は、コンタクトレンズがズレる主な原因から、ズレた時の正しい対処法、気をつけたいポイントについて解説しました。
コンタクトレンズがズレるのは、乾燥やレンズの汚れ、BCが合っていないなど、さまざまな要因が関係しています。ズレた際に慌てずに対処するには、日頃からレンズの状態を確認し、目のケアをしっかり行うことが大切です。
レンズのズレが続くようであれば、眼科で目の状態をチェックしてもらいましょう。自分に合ったレンズを正しく使って、快適なコンタクトレンズ生活を楽しんでくださいね。