カラコンを使用することで角膜に必要な酸素が不足すると、目の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
カラコンの酸素透過率は、コンタクトレンズの素材やデザインによって異なります。高い酸素透過率のカラコンを選ぶことで、目にかかる負担を軽減できますよ。
この記事では、カラコンの酸素透過率について詳しく解説。目に優しいカラコンの選び方を3つのポイントに分けて紹介します。
1.カラコンの酸素透過率について
まず、酸素透過率の基本を押さえておきましょう。
酸素透過率とは?
酸素透過率とは、レンズを通じて目に届く酸素の量を示す指標で、通常、Dk/L値で表されます。Dkは酸素透過係数を、Lはレンズの厚さを表します。Dk/L値が大きいほど酸素透過率が高い、つまり酸素透過性がいいカラコンということです。
カラコン選びで酸素透過率が大切な理由
目の健康を守るためにも、できるだけ酸素透過率が高い(Dk/L値が大きい)カラコンを選ぶことが大切です。
角膜には血管が通っていないため、涙を介して大気中の酸素を取り込んでいます。カラコンやコンタクトレンズをつけると、フタがされたような状態になり、角膜に届く涙の量が減って酸素不足になりやすくなるのです。
角膜が酸素不足になると、傷や細菌が付きやすくなり、角膜障害や感染症などのリスクが高まります。最悪の場合、視力低下や失明にもつながりかねません。
自覚症状がないまま症状が進行しているケースも珍しくないので、目の負担を減らしながら装用する心がけが大切です。
2.カラコンは酸素透過率が低い?
すべてのカラコンで酸素透過率が低いというわけではありませんが、カラコンには低含水性素材で厚いレンズが多いといわれています。
カラコンを含むソフトコンタクトレンズは4つに分類されます。
・グループⅠ…含水率が50%未満で非イオン性のもの
・グループⅡ…含水率が50%以上で非イオン性のもの
・グループⅢ…含水率が50%未満でイオン性のもの
・グループⅣ…含水率が50%以上でイオン性のもの
含水率が高いグループⅡ、グループⅣのカラコンは酸素透過率が高い傾向がみられます。一方、通販サイトや雑貨店で販売されているカラコンは、酸素透過率の低いグループⅠに属するものが多いため、注意が必要です。
ただし、最近はシリコンハイドロゲルと呼ばれる酸素透過性のいい素材が出てきており、新しいグループⅤというカテゴリに分類されています。
「カラコンだから分厚くて酸素を通しにくい」というわけではないので、目に負担をかけにくい製品を選んで安全に使用しましょう。
3.酸素不足を防ぐ!目に優しいカラコンの選び方
この章では、目に優しいカラコンの選び方について解説します。
酸素透過率は「Dk/L値」で確認
まず、カラコンの酸素透過率を表す「Dk/L値」を必ず確認しましょう。インターネットの商品説明文やパッケージに記載されています。
目安のDk/L値は24.1±2.7です。これは、角膜浮腫(角膜が酸素不足になり透明性が低下する眼障害)を起こさないと考えられている数値なので、最低限守りたい酸素透過率といえます。酸素透過性の悪い製品は、わざとDk/L値を公表していない場合があるため、注意しましょう。
新素材!シリコンハイドロゲル
シリコンハイドロゲルという新素材が使われるカラコンが増えています。シリコンハイドロゲルは、従来の素材に比べて酸素透過率が90~160程度と高く、目が乾燥しにくいという特徴があります。
ただし、シリコンハイドロゲル素材のカラコンは従来素材に比べて価格が高い点がデメリット。従来素材のカラコンに比べ選択肢も少ないですが、カラコンをデイリー使いする方は目の健康を守るためにも検討してみてもいいかもしれません。
レンズ直径DIAがなるべく小さい
レンズの直径サイズを表すDIAが小さい場合は、レンズが目の表面に接する面積が少なくなるため、酸素が目に届きやすくなるというメリットがあります。すなわち、酸素不足になりにくく、目に優しいといえます。
目に優しいカラコンを選びたいなら、酸素透過率とあわせてDIAも考慮するといいでしょう。
4.まとめ
カラコンの酸素透過率とは、レンズを通じて目に届く酸素の量を示す指標であり、Dk/L値で表されます。
角膜には血管が通っていないため、カラコンを装用すると角膜に届く涙の量が減り、酸素不足になる可能性があります。酸素不足になると、傷や細菌が付きやすくなり、角膜障害や感染症などのリスクが高まります。そのため、酸素透過率の高い(Dk/L値の大きい)カラコンを選ぶことが重要です。
最近はシリコンハイドロゲルという高性能素材が出てきていて、少し価格帯は高めですが乾燥しにくく酸素をよく通します。カラコンの酸素透過率を確認し、目に負担をかけにくい製品を選ぶことが大切です。
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